オモケンパーク omoken park

計画地:熊本県熊本市
用途:多目的広場
構造:鉄骨造+CLT造
敷地面積:193.69m²
建築面積:67.66m²
法定延床面積:48.37m²
計画着手:2017.12
工事竣工:2019.05

設計:矢橋徹
担当者:上野拓美
構造設計:黒岩裕樹(黒岩構造設計事ム所)

撮影
八代哲弥(八代写真事務所
平田克弘(hacophotoshop)

施工会社:有限会社 熊本建設

掲載:
新建築 2019年10月号
都市計画 No.340
建築ジャーナル九州版 2019年9月号
建築技術 2019年9月号
ソトコト 2020年1月号
hinge magazine 279
architecturephoto.net (JPN)
Archidaily(USA)
leibal(USA)
AXISwebmagazine(JPN)
yellowtrace(AUS)
Dezeen(ENG)
gooood(CHN)
DETAIL(GER)
JDN(JPN)
IWmagazine(TWN)

熊本地震によって被災し、解体を余儀なくされた上通りにあるビルの跡地にシェア拠点をつくるプロジェクトです。震災後市民に広がった相互扶助の意識を源泉に、地域の商店や個人店のサテライト利用、文化活動や教育活動などの支援、市民参加のイベントを通して、商店街、市民、コトの間で起こるインタラクションを誘発する開かれた場をつくることを目指しました。

このプロジェクトは小さな資源で大きな効果をもたらそうという計画です。最小限の建築によって建設コストを抑え、敷地の余白を広場として開放することで単一的な使い方を超えて多様な使い方に繋がることを考えました。小さな建築はカフェとして機能するだけでなく、屋内ギャラリーとして、また広場のイベント時のゲートハウスとしてなど、変化可能な構造を考案しました。小さな建築は地面から隆起した3枚の屋根がズレながら空間ができています。ビルの谷間のわずかな光を天井が拡散する独特な環境をつくり、大型の木製引き戸を開け放てば風が通り抜ける半屋外空間にすることも可能な環境装置となっています。アーケードに面した前庭と半屋外のポーチ、独特の光に溢れる室内空間、ズレが生み出したスキップ状の屋外テラス、これらは活動の下地として用意されています。下地から様々な使い方が能動的に発見され、この場所でしか出来ない企画や使い方に発展することで有機的なプラットフォームとしてマチに定着することを願っています。