house F / 池上の家
計画地:熊本市
用途:専用住宅
状態:工事中
構造:木造
敷地面積:211.96m²
建築面積:91.07m²
法定延床面積:86.10m²
計画着手:2017
工事竣工:2020
設計監理:矢橋徹建築設計事務所
担当者:矢橋徹、姫野沙紀
構造設計:荒木康佑(XYZstructure)
撮影:八代哲弥(八代写真事務所)
施工会社:株式会社オンサイト
掲載:
KJ 2020年8月号
architecturephoto.net(JPN)
Archdaily(USA)
Archello(NLD)
Leibal(USA)
afasia(USA)
敷地は駅前開発が進む熊本駅に近い万日山の山裾にあります。敷地からは北東側に万日山が一望でき、南西側には行政管理の湿地帯があります。夏は湿地から緑地へと変わり、安定的な日照と南西から吹く卓越風の通風効果を期待できる恵まれた環境です。クライアントは山や空への眺望と3台分の駐車スペース、老後を見据えた平家建ての明るく広がりのある住宅を希望していました。私たちは快適さと共にこの場所に住まう実感を感じる静かな住宅を目指しました。前面道路からのプライバシーの確保と眺望にバランスを取るため、山側の窓は高窓を採用しました。視線や車をコントロールし、山をトリミングした景色を生活の背景とする狙いです。高窓は住宅の2面を連続横断し、住宅のどこからでも山を背景とした生活のシーンが浮かび上がってきます。壁と高窓によって、外と内を腰壁のように繋ぐ仕切り方を「半開きの境界」と名付けました。半開きの境界は住宅の内部における個室間の仕切り方にも連続させおり、外と内の感じ方と同様に囲われていながらも開放的な空間を作っています。このようなおおらかな構成に小さな書斎や、キッチンの家事空間、子供室の膨らんだニッチにみられる小さな空間を潜ませています。半開きの境界は、快適な個人の居場所として作用し、移動や留まるといった人の動作に抑揚を持たせ、風景と生活をつなぐ役割となっています。
家具協力:ARIAKE collection (https://www.ariakecollection.com)