house M / 二夕子の家

計画地:佐賀県唐津市
用途:専用住宅
状態:完成
構造:木造
敷地面積:163.14m²
建築面積:建築面積
法定延床面積:115.11m²
計画着手:2016.02
工事竣工:2016.11

設計:矢橋徹
担当者:川崎真清

撮影八代哲弥(八代写真事務所)、矢橋徹
https://846-photo.com/

掲載:
ArchDaily(USA)
architecturephoto.net(JPN)
leibal(USA) 

敷地の状況、コスト、暮らし方など、建築の設計には様々な条件が取り巻いています。条件にも、具体的なものから抽象的なもの、自ら条件を仮定することだってあります。条件がなければ設計ができないと言っていいほど両者は深い相関関係で繋がっています。それらを収集したり、浮かび上がってきた条件を編集と似たクリエーションで展開していくのが設計でありデザインです。編集と言っても単純に整理するのではなく、時に矛盾や相反する条件がある場合も弁証法的なアイデアを模索し、条件を乗り越えたり新しい関係を紡ぐことも含めたクリエーションです。二タ子の家の敷地は幹線道路沿いにあります。幹線道路には歩道が整備され、桜が街路樹として植えられています。幹線道路の先には住宅地と唐津湾が広がる眺望に適した環境です。対照的に敷地は道路に平行に細長く奥行きのない形をしているため、一見窓も開けることができない窮屈な住宅しか建てられない印象がありますが、敷地の特徴を悲観せず場所の魅力を倍化することで、この場所で生活することへの喜びに繋げたいと考えました。パノラミックに風景を取り込む連続窓、外と内の間に緩衝帯として滑り込ませた階段室、外からの視線をカットし風景を切り取るフレーム役の腰壁など、それぞれがこの場所の特徴を編集した結果として浮上し、生活と風景に一定の心地よいバランスを与えています。