house Y

計画地:熊本市
用途:専用住宅
構造:木造
敷地面積:211.96m²
建築面積:91.07m²
法定延床面積:107.35m²
計画着手:2020.5
工事竣工:2021.7

設計:矢橋徹
担当者:姫野沙紀
構造設計:白橋祐二(建築食堂)
撮影八代哲弥(八代写真事務所)
施工会社:株式会社st.LAB
掲載:
Leidal(USA)
architecture photo
受賞:
第25回 くまもとアートポリス推進賞

計画地は、南側と西側に住宅が建ち東側には隣家の住人が大切にしている大きな畑に面しています。接道面の北側には道路を挟んで地区の子供達で賑わう公園が広がる明るい土地です。計画は小さな仕事場を必要とする4人家族のための職住一体の住宅です。配置計画は南北に長い長方形のフットプリントを置き、東側に空地を持った2階建ヴォリュームとしました。北側の道路から敷地奥の南に向かってプライバシー要求の高い諸室を並べ、街との関係を調整しつつ、東側の大きな畑に開く構成としています。ご主人の仕事柄、来客も多く、また安定した光環境が求められたため、仕事場は北側に設けて街に開き、道を行き交う人や公園からの視線の交錯をコントロールするため半地下の空間としました。半地下でできたレベル差をきっかけに家全体がスキップフロアの構成となっています。仕事場によって半階持ち上げられた北向きのリビングは見下ろしの視界を得ることで地面が心地よい近さで感じられます。ダイニングキッチンは、ステージ状のリビングが内擁壁として周囲から適度にプライバシーを守り東側の大きな畑に静かに対峙しています。個室のある二階へはキッチン収納を兼用するブリッジから更にスキップします。2階は天井高の低い親密な空間です。異なるプロポーションの空間が立体的に繋がり階の閾値がほつれた大らかな構成となっています。この立体的な構成を包む外皮は内外の関係を更にグラデーショナルにつなぎます。外皮の上半分が壁・下半分が開口の単純なつくりとすることで、内部の立体的な構成と開口の関係にズレがうまれ、移動するごとに空地や緑、公園、畑が向きを変えながら目に飛びこんできます。適度に守られた安心感と、どこにいても外の広がりが感じられる心地よい開放感がうまれています。住宅を開放的につくりたい欲求と生活を守る器としての堅牢性との矛盾に対し、開放と遮蔽が入り混じった距離感の創出で応答しました。外観は周辺の住宅に多く見られる切妻屋根を参照しつつも、プロポーションや素材、肌理を新規的に忍ばせることで、公園の管理棟のような公共性を纏った建ち方となっています。